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株式会社免疫生物研究所 ネオシルクでは、トランスジェニックカイコを用いた有用タンパク質生産技術を開発しています。この技術開発には、知的クラスター創成事業・広島バイオクラ スターならびに独立行政法人農業生物資源研究所の研究成果が活用されています。
 

トランスジェニックカイコを用いて生産したネオシルク®‐ヒトコラーゲンⅠについて、INCI名を取得し(INCI名:Transgenic Silkworm rh-Polypeptide-47)化粧品原料としての販売活動を進めております。ネオシルク®‐ヒトコラーゲンⅠの技術情報をこちらからご覧いただけます。

 
平成24年2月15日 群馬県庁ビジターセンターにて 公開シンポジウム カイコ産業の未来
 - 遺伝子組換えカイコによる医薬品開発を目指して -
が開催されました。
こちらから弊社発表の遺伝子組換えカイコによるバイオ医薬品製造の実現を目指してをご覧になれます。
 
今日、組換えタンパク質医薬品の市場は拡大しつつあり、特に、血液タンパク質や治療用モノクローナル抗体など安価で大量に必要とされるタンパク質の分野の成長が予想されます。これまでに組換えタンパク質は微生物やCHO細胞を宿主として生産されてきましたが、これらの生産系には設備投資やランニングコストが高価であったり、組換えタンパク質の活性がない、精製が困難などの問題がありました。このような問題を解決するためにトランスジェニック生物(ヒツジ、ウサギ、ニワトリ、昆虫、高等植物)による組換えタンパク質の低価格大量生産システムの開発に関心が集まっています。
カイコのマユは主にフィブロインとセリシンという2種類のタンパク質から形成されています。このカイコの有する特定のタンパク質を大量に合成する能力は5千年にわたって絹糸の生産に利用されてきました。今、私たちはこの能力を組換えタンバク質の大量生産に活用します。これまでの組換え生物による有用タンパク質大量生産系に比べ、カイコには数々の利点があります。卵に外来遺伝子を顕微注射することにより、容易にトランスジェニックカイコを得ることができます。
配合飼料による無菌飼育法が確立されている、ライフサイクルが約45日と短い、スケールアップが容易といった利点があります。他の組換えタンパク質生産系に比べ経済的にも優位な方法です。これまでにマユ1個あたり10 mgまでの組換えタンパク質を生産しました。カイコはヒトの伝染病を媒介しません。幼虫の生育には桑の葉が不可欠であり、成虫は飛行することができません。鳴き声や排泄物が発する悪臭もありません。つまり、カイコはほ乳類やニワトリ、高等植物などに比べ、組換え体の飼育や生産されたタンパク質における様々なリスクが少なく、環境への影響が極めて低い、遺伝子組換え生物として優れた生き物といえます。かつて日本は世界に誇る養蚕大国でしたので、飼育技術や有用な系統の保存など、カイコに関する知的財産や文化遺産が蓄積されています。トランスジェニックカイコによる組換えタンパク質大量生産を通して、養蚕業の再興につながればと考えます。
カイコがマユを作る際に紡ぐ絹糸は、主にフィブロインとセリシンという2種類のタンパク質から構成されています。フィブロインは糸の本体であり、セリシンはフィブロイン糸同士を接着させる働きがあります。絹糸の断面を観察するとフィブロイン層とそれを取り巻くセリシン層の2層からなることがわかります。弊社ではセリシン層に大量の組換えタンパク質を産生するようなトランスジェニックカイコを作成する技術により、組換えタンパク質の生産を行います。マユをバッファーに浸すことにより、組換えタンパク質を抽出します。
     
         
     
  1 Adachi T, et al. Production of a non-triple helical collagen α chain in transgenic silkworms and its evaluation as a gelatin substitute for cell culture. Biotechnol. Bioeng. 2010; 106: 860-870.  
  2 Iizuka M, et al. Production of a recombinant mouse monoclonal antibody in transgenic silkworm cocoons. FEBS J. 2009; 276: 5806–5820.  
  3 Shimizu K, et al. Structure and function of 5'-flanking regions of Bombyx mori fibroin heavy chain gene: identification of a novel transcription enhancing element with a homeodomain protein-binding motif. Insect Biochem. Mol. Biol. 2007; 37: 713-725.  
  4 Tomita M, et al. A germline transgenic silkworm that secretes recombinant proteins in the sericin layer of cocoon. Transgenic Res. 2007;16:449-465.  
  5 Ogawa S, et al. Generation of a transgenic silkworm that secretes recombinant proteins in the sericin layer of cocoon: production of recombinant human serum albumin. J Biotechnol. 2007;128:531-544.  
  6 Hino R, et al. The generation of germline transgenic silkworms for the production of biologically active recombinant fusion proteins of fibroin and human basic fibroblast growth factor. Biomaterials. 2006;27:5715-5724.  
  7 Adachi T, et al. Generation of hybrid transgenic silkworms that express Bombyx mori prolyl-hydroxylase alpha-subunits and human collagens in posterior silk glands: Production of cocoons that contained collagens with hydroxylated proline residues. J Biotechnol. 2006;126:205-219.  
  8 Tomita M, et al. Transgenic silkworms produce recombinant human type III procollagen in cocoons. Nat Biotechnol. 2003;21:52-56.  
 
事業紹介
論文紹介